2011年2月9日水曜日

イスラムの先に見えるもの

イスラム教徒にとって、いかに“ハラル”が重要なことかは先日申し上げたとおりですが、食品や飲料を扱う上でもこれらのことを基準として取り組む活動が進んでいます。

その名も「ハラル認証」。これらは企業にとっては任意であり、決して義務ではありませんが、この認証を取得して商品に表示しているかどうかで、売る上げに大きく影響します。

ハラル認証① ヤクルトさんの工場

(今回工場見学をさせて頂いたヤクルトさんでも、そのあたりについて詳しくお話を聞かせて頂きました。)

ハラル認証 この認証を取得するための道のりは困難で、発売ぎりぎりになって何とか間に合い販売にこぎつけられたとのこと。

初めて商品を手にとって貰った時の第一印象で、ハラル認証があるとないとでは雲泥の差が生じてしまうためです。

余談ですが、実はマレーシアではすでにバイタジェンという会社がヤクルトの真似をして生産販売しており、業界NO.1ブランドとして定着してしまっていたそうです。日本ではおなじみの“みんなのヤクルト”ですが、こちらでは後発となってしまったヤクルトの方がバイタジェンの類似品と思われる事態に・・・。

ヤクルトさんの工場内

ヤクルト 品質検査

(衛生管理の行き届いた生産現場内) (成分検査体制も確立しています)

ヤクルトの方が成分や内容的には比較にならないほどの良質な飲料であるのに、バイタジェンは先駆者として一日の長がある。それだけにヤクルト本来の強みである「お医者さんが開発したLsS菌の特長」、すなはち本物の健康飲料であることをみなさんに認識してもらうことが必要だったそうです。

現在では立上げ当時業界9番手だったヤクルトも、今では業界2番手までブランド力が向上されたそうで、本物はきちんとした対応を続ければ、必ず受け入れられるのだということを証明されていました(ここでは省略させて頂きましたが、当然ながら販売戦略も含め、相当なご努力も伴われてのことです)。

いずれにしろ、イスラム教の戒律の先にある市場は、世界中で10億人以上とも言われ、イスラム旅行者の09年の支出は世界の9%まで達してきており、業界でも無視出来ない存在になっているとのこと。

アジアは中国を中心に回っているという意識が強いのですが、近隣諸国である東南アジアでもそれぞれに文化があり、確実に大きな市場があるということを今回の視察でしっかりと感じ取ることが出来ました。

これから世界を舞台にして活躍しようという日本企業にとっても、大きな影響があることは間違いありません。常にアンテナを世界に張り巡らせて、今後の企業経営に努めていこうと改めて決意致しました。

 

※マレーシア経済視察編、長くなりましたが、ここらへんで一区切りとさせて頂きます。(いつまでマレーシアにいるのですか?という誤解も受けているようです^ロ^;もう少しご紹介したかったこともありますが、それはまたの機会ということに・・・。

お付き合い頂き誠に有難うございました。

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